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2018.07.29Media

Argonavis 0-1st LIVE -始動- Report

開催日時

2018年7月29日

開催場所

下北沢GARDEN

アニメ、ゲーム、コミック、声優によるリアルライブなど様々なメディアミックスを展開する“BanG Dream!(バンドリ!)”
その新プロジェクト“ARGONAVIS from BanG Dream!(アルゴナビス フロム バンドリ!)”は男性声優によるボーイズバンドプロジェクトだ。
1stライブである「Argonavis 0-1st LIVE -始動-」が7月29日(日)に下北沢GARDENにて開催された。本稿ではその模様をレポートする。

会場である下北沢GARDENは、先行するガールズバンド“Poppin’Party”が初めてライブを行ったライブハウスだ。
2015年4月に400人余りのここからスタートし、2017年8月には日本武道館でのライブ開催という快挙を成し遂げたことは、バンドリ!ファンの記憶に鮮やかに残っているだろう。これはガールズバンドとしては史上最速で、女性声優ユニットとしても最速だ。
偉大な先達を持つプロジェクトの、今までとは種類の違うボーイズバンドという展開に、懐疑の念を捨てられずに29日を迎えたファンもいたことだろう。

その不安を吹き飛ばす熱演が下北沢に響いた。

会場は男女別のエリアと男女混合エリアに分かれており、会場内の男女比は半々といったところ。
青いペンライトの光が会場を包む中、Argonavisメンバーが登場した。
男性専用エリアに近い上手には日向大輔(Gt.&Vo.)、女性専用エリアに近い下手には前田誠二(Ba.&Vo.)、中心には森嶋秀太(Key.&Vo.)という配置だ。左後方には誰も座っていない、空のドラムが置いてある。

そしてざわめきのような歓声のなか、『天体観測』(BUMP OF CHICKEN)でスタート。誰もが知る名曲のメロディと、穏やかでありつつも力強い日向の歌声によって一瞬にして会場の興奮はマックスに。Gt.&Vo.として見事なパフォーマンスを披露する姿で、男性専用エリアの人々の心を一気に掴んだ。

間断なく続く2曲目の『リライト』(ASIAN KUNG-FU GENERATION)はボーカルが変わり、前田の熱唱が響く。愛らしさの感じられる声色だが、サビと同時の力強い「歌っていこう!」という煽りで会場の声と心がひとつになった。華奢な見た目を裏切る堂々としたベース演奏に、驚いた人も多いだろう。長いブランクがあるようには到底見えない。また、キーボード初心者であったはずの森嶋が困難な曲を弾きこなしながら、全身で「楽しい」と語っていることがさらにライブを盛り上げる。

パワーのある楽曲と「ただの声優バンド」ではないパフォーマンスで、最初の2曲で会場の心をがっちりと掴んでいた。
Argonavis、凄いぞ。
歓声をあげるオーディエンスの全員が思っていたことだろう。

その思いが伝わったように、MCに入るとギターの日向が会場の歓声を前に「もう泣きそう」と感極まったように笑った。
森嶋「始まったばかりなので、カバー曲を中心に歌おうかと思います」
そこでメンバーの自己紹介に移り、前田が名乗ると「可愛いー!」という声がいくつも飛んだ。日向が名乗ると「かっこいいー!」と声。また、さまざまな作品で活躍する森嶋が挨拶すると、ひときわ大きな歓声と共にサイリウムが青く光る。
森嶋「今日は3人でお送りします。ボーカルとドラムは探し中です(笑) なので今日は楽器をやりつつ3人で歌っていこうと思います」

と語り、続けて『ピースサイン』(米津玄師)を披露した。
前へ前へ進もうという切実さのあるメロディを、森嶋が疾走感に溢れた声で歌いあげる。全身を使い、苦悩しつつ祈るような姿は会場の視線を釘づけにした。それに負けじとサビでは前田と日向の2人が向かい合い、高くジャンプするパフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。

再びMCパートに入り、詳しい自己紹介を一番新人の日向から。
日向「出身は宮崎県、以前はシンガーソングライターとして活動していました。趣味は映画観賞、サーフィン、スノーボード、犬の散歩。そして最近はまっているものが、コンビニの……ウズラの卵!」と会場を笑わせた。

続けて自己紹介はベースの前田に移る。
前田「ベースの前田誠二ですよろしくお願いします。ありがとうございますー、こんばんわぁ」
と穏やかな声と笑顔で空気をほっこりとさせ、去年の夏に声優デビューをしたことや森嶋、日向と会ったことを語った。
前田「日向さんは見た目でわかると思うんですが凄く優しくて」
日向「やめろよ、言うなってゆったやん」
前田「すっごい僕たちも今日っていう日が……あっピック飛んだ」
話しつつ前田がベースのピックを落とすと、すかさず照れていた日向が拾いに駆け寄った。
前田「ほら、優しいー!!」
メンバーの仲の良さの感じられるやり取りには、女性のみならず男性からも「可愛いー!」と声援が飛んだ。続けて前田が日向の優しさを暴露する。
前田「今日すっごく楽しみだったんですけどやっぱり不安もあって……そしたら今日8時半ぐらいに日向さんから“前ちゃん、寝れた?”ってLINE来て」
日向は「やめろ! やめろ!」と照れていたが、
森嶋「え、俺のところには来なかったよ?」
日向「森嶋さんはあの……大丈夫かなって……」
しどろもどろで答え、3人の関係性で会場を笑わせた。前田が先輩森嶋の背中を見て勉強していることを語り、自己紹介は森嶋に移る。

森嶋「前は介護やプログラマーをしていました。声優、そしてバンドするなんて、学生の頃は想像もできませんでしたが、応援くださる皆さんのおかげです。ありがとうございます!」

次は『サムライハート(Some Like It Hot!!)』(SPYAIR)。冒頭のコール部分を会場と練習し、日向が「男子! 女子!」と声をかけ、ぴったり息があったところで曲に入る。日向は歌声はもちろんのこと、迫真のギタープレイでも会場を盛り上げた。前田は飛び跳ね、頭を激しく振りながら、見事なベースプレイを披露するなど負けていない。

それに続き前田が「夏にぴったりの爽やかな曲です」と夏の青春を歌う『青い栞』(Galileo Galilei)を紹介する。曲にぴったり沿う森嶋の爽やかな歌声に、前田と日向の声が綺麗なハーモニーを奏でた。

再びMCに戻り、今までやってきた曲を振り返る。
日向「天体観測は中学生のときにバンドで夏祭りで演奏したので、大人になった今また演奏できて嬉しかったです!」
前田「リライトは僕たちが最初の練習で合わせた曲で、めちゃくちゃ難しかった! 弾き語りって聞いたとき思わず聞き返しましたよね。でも皆さんの前で演奏できて嬉しいです!」
森嶋「ピースサインは演奏していて、一体感が感じられた最初の曲ですね。歌っていて気持ちがいい!」
また、サムライハートの冒頭コールでは「殿! 姫!」と煽る予定があったこと明かし、次回があれば是非やりたいと会場を沸かせた。また、青い栞について「切ないけど綺麗な曲で、弾けて幸栄だ」と森嶋が語った。

続く『Tomorrow never knows』(Mr.Children)は、消えてしまった夢や孤独を語った名曲を、キーボードソロと共に森嶋が美しい声でしっとりと歌い上げ、会場が聞き惚れていた。
また苦悩にまみれ嘆きながらも、前を向き生きていくことを誓う『季節は次々死んでいく』(amazarashi)を前田が歌う。繊細な歌声と、日向の激しいギターが重なり、Argonavisらしいバンドサウンドが生み出されていた。

次のMCでは、
森嶋「お気づきでしょうか?」
とおもむろに語りだし、背後にかかっているバックドロップ(背景となる垂れ幕)に描かれたロゴについて言及した。
森嶋「全部大文字のARGONAVISがプロジェクト名、頭文字だけ大文字のArgonavisがバンド名です。ちなみに、テーマカラーは青なので僕たちの服も青を入れてもらっているんです」
森嶋はキーボードの前でジャンプし青いパンツを見せ、日向のネイビーのロングジャケットには「かっこいい!」との声がかかり、前田がかき氷のようと例えたグラデーションのシャツを見せると「かわいい!」と男女の声が重なった。

続いて、誰かのためじゃなく自分のために笑おう、という『ALONES』(Aqua Times)を日向が歌っていたが、途中で歌詞が飛ぶハプニング。しかしそれを前田が歌を継ぐ形でフォローし、再び日向の歌唱へ。生のライブでしか見られない、躍動感のある楽曲となった。

『シュガーソングとビターステップ』(UNISON SQUARE GARDEN)のイントロが流れ「盛り上がっていきましょう!」と森嶋が煽ると、しっとりした空気から一転して会場のテンションはぶち上がる。会場の掛け声を浴びながら、メンバーが舞台を駆け回った。

MCに入り、森嶋が「次で最後です」と語ると会場からは残念そうな声。最後ということで、今日のライブの感想を語った。
森嶋「初めてこうして楽器を演奏することになって、こんなに難しくて。でもその先に皆さんの笑顔があることを実感しました。皆さんの声援で本当にずっと練習してきてよかったなと思いました。ありがとうございます!」
日向「あんまり喋ると泣いちゃいそうなので……今はただありがとうございます」
前田「僕たちがここに立てているのは、応援してくださっている皆さんのお陰です。これからも応援のほど、よろしくお願いします」

そしてバンドにとってもプロジェクトにとっても羅針盤になるような曲としてここからスタートしたいです、と語った初めてのオリジナル楽曲『Steady Goes!』を前田が歌い上げた。
ギターソロパートでは、日向が舞台を縦横無尽に動きまわり観客を魅了した。まだ見ぬ大きな海に漕ぎ出していく歌詞は、このライブからスタートする彼らにぴったりで、誰もが知る有名楽曲の続いたセットリストに負けない音の力でオーディエンスを盛り上げた。

その後、アンコールに応え3人が登場し、『ピースサイン』(米津玄師)、『Steady Goes!』(Argonavis)を披露。そして次回ライブが下北沢GARDENにて開催されることが発表されると、会場は割れんばかりに歓声に包まれた。
最後に3人は「皆さんのおかげでライブが出来ています。2ndライブに向けてますます頑張っていきます!」と次回への抱負を誓った。

演奏中のクールさとは裏腹なほのぼのと心温まる様子が、他にない彼らの魅力だろう。先輩として優しく2人をリードする森嶋、男らしくパワフルだが気遣いに溢れる日向、愛される雰囲気と共に何度も感謝を述べた前田。ボーイズバンドらしい激しさは持ちつつも、「優しさ」に満ちた空気に心癒された人は多かったのではないだろうか?
まだキャラクターやストーリーはなく、メンバーはまだ3人。しかしライブに参加した人はすでに彼らの「ファン」になっていた。
「惚れたぜ、大輔!」と声をかける男性、緊張してメンバーの顔を直視できない女性……
メンバーたちの手から来場者特典を受け取ったあと、次回2ndライブのチケットを求めるために残った人は驚くほど多く、ごったがえす熱気がそれを証明していた。

演奏の技術には、課題はいくつも見つかるだろう。しかしそれをお互いでカバーしあうことで、魅力あるライブを作り上げていた。

プロジェクトはまだ始まったばかり。
今後ボーカル、ドラムが加わってどう変化していくのか、誰も想像することができない。しかしバンドとして、声優として成長する彼らを見守ることが“ARGONAVIS from BanG Dream!”の醍醐味だ。
彼らが次のライブではどんな新しい魅力を見せてくれるのか、期待して待とう。

-セットリスト-

01.天体観測/BUMP OF CHICKEN
02.リライト/ASIAN KUNG-FU GENERATION
03.ピースサイン/米津玄師
04.サムライハート(Some Like It Hot!!)/SPYAIR
05.青い栞/Galileo Galilei
06.Tomorrow never knows/Mr.Children
07.季節は次々死んでいく/amazarashi
08.ALONES/Aqua Timez
09.シュガーソングとビターステップ/UNISON SQUARE GARDEN
10.Steady Goes!/Argonavis

アンコール

11.ピースサイン/米津玄師
12.Steady Goes!/Argonavis

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