from ARGONAVIS Official Site
2023.08.30Info
2023年8月、ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」に登場するバンド・GYROAXIAが、2度目のツアーとなる「GYROAXIA LIVE TOUR 2023 KICK-START」を開催した。本ツアーは、仙台を皮切りに全国5箇所を周り多数のファンを動員、各地で異なるセットリストで大いに盛り上げた。本稿では、ゲストアクトにFantôme Irisを招いた名古屋公演と、ワンマンとしてはラストになる大阪公演についてお伝えする。
◆Zepp Nagoya公演(2023年8月20日)
GYROAXIAとしては初のZepp Nagoya。一方、ゲストアクトのFantôme Irisは名古屋出身ということもあり、この日は両バンドの熱心なファンが詰めかけ、会場がこの上ない期待感で一杯に満たされていた。
ギターの美園礼音(演:真野拓実)、里塚賢汰(演:橋本真一)、ベースの曙 涼(演:秋谷啓斗)、ドラムの界川深幸(演:宮内告典)がスタンバイし、最後に現れたボーカルの旭 那由多(演:小笠原 仁)が「さあ、全員でかかってこい」と静かに告げると、今夏リリースされたばかりの疾走感あふれるナンバー「The last resort」が投下された。先述のとおり本ツアーは彼らの2度目のツアーであり、同時に“声出し”が解禁になって初めてのツアーだ。2019年にバンドがお披露目されて間もなくコロナ禍に突入、長らくファンの歓声を聞けていなかったGYROAXIAにとっては、ようやく本来の形でライブを行えるようになったのだ。ここまでのツアー前半戦を終えて新たな経験値を積んだ5人は、熱狂する観客と同等かそれ以上のエネルギーで音をぶつけてきた。
「Freestyle」「WORLD IS MINE」、メンバー紹介を挟んで「NEW ERA」へ。デビュー初期の荒削りで熱量を丸ごと爆発させるイメージから一皮むけ、エネルギーを制御し、隠し持つ力の奥深さを感じさせるようなサウンドへの変化が見える。かと思えば、「EGOIST」「LIAR」といった長く演奏されてきたナンバーでは、一段も二段も成長した演奏力で楽曲の持つ本来の力を最大限に引き出す。「The last resort」と共に今夏リリースされたばかりの「MILESTONE」では、緩急自在な歌と演奏を聞かせ、観客を熱狂の渦に落とし込んだ。
後半の流れも凄まじかった。礼音が「一緒に歌ってほしい箇所がある」と拳を上げながら観客に掛け声を促し、全編英語詞の「Breaking the ROCK!!」へ。どこか仄暗さを感じる熱いサウンドに酔わされた後は、お馴染みのダンスナンバー「GETTING HIGH」「DANCING PARANOIA」で、会場のボルテージは最高潮に。そしてGYROAXIA本編ラストを飾ったのは、最新曲「ALL MY PARTS」。那由多自身の内面を描いたというこの歌は、過去から現在まで決して歩みを止めなかった彼らだからこそ演奏できるものなのだろう。まだ音の余韻が残る中で5人はステージを後にし、歓声と拍手だけがそこに残った。
本編の後半を飾るのはゲストアクトのFantôme Irisだ。通常のゲストはメインバンドの前に演奏することが多いのだろうが、今回は名古屋が出身地の彼らに華を持たせる形としたのだろう。ステージに松明の炎が揺らめき、メンバーのシルエットが浮かび上がると、ヴィジュアル系バンド独特のメンバーコールが響き渡った。GYROAXIAが作った熱を絶やさぬためにと開幕に披露されたのは「ザクロ」。揺るぎない世界観と確かな演奏力で、その場の空気は瞬時に塗り替えられる。会場は紫色の光で溢れ、先ほどまでとは異なる激しい熱狂に包まれた。
歌い終えたボーカルのFELIX(演:ランズベリー・アーサー)が名古屋の地で再びライブができることを喜び、Fantôme Irisのライブではお馴染みの“ワイン”で喉を潤す。そして楽曲は「Into the flame」「XX in Wonderland」「ピエロ」と続き、会場中が熱狂を超えた狂乱の渦に巻き込まれた。
最後にFELIXが、応援してくれる眷属たちとツアーに招いてくれたGYROAXIAに感謝の言葉を述べた。今後はGYROAXIAと同じレーベルのドレッドノートミュージックに所属し、これまでと変わらず進んでいくことを告げ、新曲の「Brilliant days」を披露。ヴィジュアル系らしい激しさと耽美さが共存するドラマティックな構成の本曲は、Fantôme Irisの新たな看板曲になりえると言って過言ではないだろう。演奏を終えた5人が舞台から去り、美しき幻想の世界の幕は降りたが、その景色は観た者の心にいつまでも残り続けるはずだ。
アンコールに応えて再び登場したGYROAXIAの5人はキャストとして、和気あいあいとしたトークをスタート。この日は那由多を演じる小笠原の誕生日すぐ後のライブということで、ステージ上でメンバーからサプライズのプレゼントが渡され、仲の良さを伺わせた。そしてアンコール1曲目にこの曲をやるなら……と、Fantôme Irisのサポートギターで「Dawn」作曲者の冬真を招き、共に楽曲を演奏。その後はFantôme Irisの全メンバーを呼んでお互いのステージを称え合いつつ、最後に「MANIFESTO」を両バンドの歌と演奏で披露した。作品世界では、これから同じレーベルの仲間でありライバルとなるGYROAXIAとFantôme Iris。それぞれの魅力でファンを楽しませた一夜のライブは盛況の中、終了となった。
◆Zepp Namba公演(2023年8月26日)
早いもので、「GYROAXIA LIVE TOUR 2023 KICK-START」もこの日がワンマンとしては最終日。地元大阪はもちろん、日本全国だけでなく海外からも駆けつけたファンで満杯の会場は、まるで“試合前”のような高揚感に満ちていた。期待で一杯の観客と、やる気に満ち溢れたGYROAXIAのメンバーが向き合うと、「The last resort」でその火蓋が切って落とされた。序盤ながら、小手調べどころか全力でぶつかってくる5人。曲は「Freestyle」「WORLD IS MINE」と続いていくが、その演奏や佇まいにはどこか余裕まで感じるほどだ。それはもちろん那由多だけの話ではなく、胸を張り誇らしげな笑顔を見せながら演奏する礼音、クールな表情のままに熱い音を繰り出す賢汰、飄々とした雰囲気でしっかりとリズムをキープしてみせる涼、にこやかに微笑みながら骨太なサウンドで全体を支える深幸……全員からある種の余裕と、「ステージこそが自分の居場所」というプライドが強く伝わってくる。一方の観客も負けじと声を張り、拳を上げ、GYROAXIAに食らいついていく。
「NEW ERA」「EGOIST」「LIAR」と新旧交えて楽曲を畳み掛け、ステージが暗転。一呼吸置いた後、涼が奏でるピアノが響き始めた。力強くも叙情的なフレーズはいつしか聞き覚えのあるメロディになり、「REVOLUTION」へ。こうしたライブならではのアレンジを楽しめるのも、彼らの音を生で聞く醍醐味と言えるだろう。そして5人が生む熱量は「MILESTONE」に続いていく。
ピークに達したと思われる熱狂は、次の「IGNITION」で色を変えた。ただエネルギーをぶつけるだけではない、どちらかというと内省的な味わいのある本曲は、彼らの活動開始以来、数年ぶりに観客の声を聞くことができた富士急ライブ(2023年5月「BUSHIROAD ROCK FESTIVAL 2023」)でのステージを思い起こさせた。どこからか吹く風を感じるようなこの一曲は、彼らの成長を感じさせて余りあるものだった。そして那由多は「歌えるか」とつぶやき、マイクを観客に向けた。そうして大きな歓声の中、「Existence」が演奏された。
那由多がステージ袖に捌けると、残ったメンバーたちで新衣装の披露トークを届けてくれた。GYROAXIAらしい燃えるような赤と黒をベースに、それぞれがこだわりのあるデザインとなっているようだ。
再び演奏パートになると、ここから終盤に向けて怒涛の展開となった。地を力強く踏み鳴らすようなリズムが響く「Breaking the ROCK!!」、メンバーも観客もテンションMAXで音に揺れる「GETTING HIGH」「DANCING PARANOIA」と続き、ついにここが頂点かと感じる盛り上がりを見せた。だが那由多は「まだ燃やし尽くせるものはあるか!」と叫び、彼らの原点である「MANIFESTO」が投下された。ステージで上がる火花、それを照らす真っ赤な照明は「これこそがGYROAXIAだ」と言いたくなる景色だ。そして那由多は最後に「どんな傷もどんな過去も、全て俺のたった一部だ。刻みつけろ」と、本編ラストに「ALL MY PARTS」を放った。これまでと地続きの、けれど新しいGYROAXIAを感じさせる一曲は、これからまた演奏する度に色を変えていくのかも知れない。
アンコールでは、大阪は賢汰を演じる橋本の地元ということもありトークが盛り上がった。そして、賢汰がメインボーカルの「STORM」を、小笠原がキーボードで参加するという特別すぎる編成で届けられた。本曲はこの5人で演奏するのは初ということで、曲を終えたメンバーは「緊張したね!」と笑いあった。
「ツアーファイナルは9月にArgonavisと対バンしますが、ワンマンとしては今日が最後ということで気合もひとしおなライブでした。個人的には出すものを出し尽くし、皆さんから受け取るものを受け取り尽くし、キャラクターや作品として何歩も前に進めたんじゃないかなというくらい、思い出に残る公演でした。また絶対にこの地でライブをやりたいと思いますので、そのときはぜひ会いに来てください!」
宮内告典(界川深幸役)
「ツアーをやる度に『このメンバーで良かった』と思うし、歳とか関係なくみんなで活動できているんですよね。このメンバーだったからこそこうやって皆さんに会えたんだと思うと、本当に嬉しいです。これはどの会場でもずっと思ってました。僕たちは皆さんの笑顔が見たくていろんなものを作っているから、毎回終わりが来るのがすごく嫌です。だからまた会いたいです! 次もぜひ見に来てください」
秋谷啓斗(曙 涼役)
「このツアーは特にでしたが、楽しいことはあっという間ですね。いろんなところでいろんな人に会って、いろんなご飯を食べて、こうして皆さんと楽しくライブをやれたのがすごく幸せです。僕の人生の中でも強く刻まれる思い出になりました。僕らはいつも皆さんからパワーを受け取っていますので、僕らからも何かが伝わっていれば嬉しいです。これからもジャイロは進化していきます。楽しい時間を過ごしていきましょう!」
真野拓実(美園礼音役)
「どの会場でも皆さんがたくさん声を出してくださって……疲れたでしょう?(笑) 楽しかったですか? (観客の声を受けて)良かったです! たくさんの声にパワーをもらいました。このツアーも残すところはArgonavisとのツーマンです。その後はアプリなどもありますし、コンテンツはまだまだ盛り上がっていくと思いますので、これからもついて来てください。今日はありがとうございました!」
橋本真一(里塚賢汰役)
「賢汰が那由多に言うように、この5人も“奇跡の出会い”だなと心から思います。歳も職業もばらばらなみんなが集まり『初めまして』から始まって、今では毎日LINEするくらいに仲良くなって……仕事だけじゃなく人生を共にする仲間として、こんな奇跡はないなと。結成から積み上げてきた時間ひとつひとつがあって、この5人だから出せる音、出せるバンドになってきたんじゃないかなと思います。これからも変わらずについて来てくれたら嬉しいです」
5人は最後に「SCATTER」を演奏。メンバーも観客も残った力を振り絞り、一体となって盛り上がる。誰もが笑顔を浮かべ、この上なく楽しく幸せだということが伝わってきた。そうしてすべての演目が終了となり、大阪公演は幕を閉じた。
なお、ツアーファイナルは同じく2023年にツアーを行ったArgonavisとの2年ぶりの対バンが予定されている(2023年9月8日開催「Argonavis × GYROAXIA LIVE 2023 スタートライン × KICK-START」)。
[取材・文]玉尾たまお
公演名:GYROAXIA LIVE TOUR 2023 KICK-START
出演:GYROAXIA(旭 那由多:小笠原 仁、里塚賢汰:橋本真一、美園礼音:真野拓実、曙 涼:秋谷啓斗、界川深幸:宮内告典)
8月12日(土)仙台GIGS(宮城)
開演:18:30
8月13日(日)仙台GIGS(宮城)
GUEST ACT :Fantôme Iris(Vo.ランズベリー・アーサー:FELIX、Support Members Gt. 冬真 as LIGHT、Gt. YOUSAY as ZACK、Ba. めんま as HARU、Dr. KENZO as D)
開演:17:00
8月18日(金)Zepp Fukuoka(福岡)
開演:19:00
8月20日(日)Zepp Nagoya(愛知)
GUEST ACT :Fantôme Iris(Vo.ランズベリー・アーサー:FELIX、Support Members Gt. 冬真 as LIGHT、Gt. YOUSAY as ZACK、Ba. めんま as HARU、Dr. KENZO as D)
開演:18:00
8月26日(土)Zepp Namba(大阪)
開演:18:00
01. The last resort
02. Freestyle
03. WORLD IS MINE
04. NEW ERA
05. EGOIST
06. LIAR
07. MILESTONE
08. Breaking the ROCK!!
09. GETTING HIGH
10. DANCING PARANOIA
11. ALL MY PARTS
GUEST ACT/Fantôme Iris
12. ザクロ
13. Into the flame
14. XX in Wonderland
15. ピエロ
16. Brilliant days
En1. Dawn(with 冬真)
En2. MANIFESTO(with Fantôme Iris)
01. The last resort
02. Freestyle
03. WORLD IS MINE
04. NEW ERA
05. EGOIST
06. LIAR
07. REVOLUTION
08. MILESTONE
09. IGNITION
10. Existence
11. Breaking the ROCK!!
12. GETTING HIGH
13. DANCING PARANOIA
14. MANIFESTO
15. ALL MY PARTS
En.1 STORM
En.2 SCATTER
価格:¥4,400(税込)
受付期間:8月12日(土)21:00~9月1日(金)21:00
配信開始時間:8月26日(土)18:00~
アーカイブ期間:~9月1日(金)23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/gyroaxia2023_st/
※受付開始時刻になりましたらお申し込みが可能となります
価格:¥4,400(税込)
受付期間:8月12日(土)21:00~9月1日(金)21:00
配信開始時間:8月26日(土)18:00~
アーカイブ期間:~9月1日(金)23:59まで
受付URL:https://ib.eplus.jp/gyroaxia2023_st
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