「APOLLO RECORDS LIVE 2024 - We are the Star -」オフィシャルレポート

　2024年1月18日、ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」が、Zepp DiverCity(TOKYO)にて、ライブイベント「APOLLO RECORDS LIVE 2024 - We are the Star -」を開催した。本ライブには、作中に登場するレーベル・アポロレコードに所属するバンドのArgonavisとST//RAYRIDEが出演。初の“レーベル主催”ライブであり、新バンドST//RAYRIDEがリアルライブに初登場という、プロジェクトにとって新たな展開を見せた一日となった。

　
　開演前の影ナレが流れ始めると、客席から歓声と拍手が上がった。というのも、その声の主がアポロレコードの代表の古澤嘉寿樹（演：井俣太良）だったからだ。古澤は注意事項を読み上げたのち、「盛り上がる準備はできているか！？」と、元バンドマンらしく会場の空気を温める。ステージが青く幻想的な光で照らし出され、希望を感じさせるBGMが流れ出す。拍手に包まれて登場した5人――Argonavisは、「Hey! Argonavis」でこの日のライブをスタートさせた。

　笑顔でステップを踏みながら歌うボーカルの七星 蓮（演：伊藤昌弘）から、ドラムの白石万浬（演：橋本祥平）、キーボードの桔梗凛生（演：森嶋秀太）へ繋がる歌声。メンバーと観客が一体となって「Argonavis！」とコール、２コーラス目ではベースの的場航海（演：前田誠二）、ギターの五稜結人（演：日向大輔）もボーカルを聴かせ、ハッピーな空気で会場を丸ごと包み込む。そのままの勢いで、次の曲は「夏のBURRRRN!!!」。万浬フィーチャー曲とあって、メンバーはドラムの周りに集まったり、前方の４人が一列になってステージを練り歩いたりとお祭りのような弾けっぷりを見せる。
　曲は休むまもなく「What-if Wonderland!!」、「星がはじまる」と続き、観客は軽快なリズムに乗ってジャンプしたり、拳を上げてメンバーの熱量に応える。「1st LIVE」と銘打たれた2019年のライブから考えると、彼らにとって（一部ではあるものの）1階席の多くがオールスタンディングというのはこの日が初めてのことだった。ここ最近ではお馴染みとなっていたサイリウムやペンライトの使用が無しだったこともあり、メディアミックスという枠組みを超え、より“本格的”なロックバンドのライブらしい空気感を醸し出していた。

　ここでリーダーの結人を皮切りに、メンバー全員の自己紹介へ。“函館出身の大学生5人”のArgonavisは、とある大会をきっかけに上京し、紆余曲折を経てアポロレコードに所属、プロの道を歩むことになったばかりのバンドである。一方、リアルバンドとしての彼らは活動開始から今年が6年目で、ライブを経るごとに着実にレベルアップし、ファンを獲得してきたという経緯がある。ライブスタートからここまで数曲ではあるものの、様々な経験をとおして得たバンドとしての大きな成長を感じ、作品世界の5人とオーバーラップして見えた。

　「今日は先輩バンドのストスト（ST//RAYRIDEの略称）と一緒で気合が入っている」と話す彼らがMC明けに持ってきたのはパワフルな「AGAIN」。かと思えば次の「Y」は甘酸っぱさのあるラブソングで、表現の幅に唸らされる。
　一瞬の静寂ののち、夜空にきらめく星の光のようなピアノの音色が響き出す。そして、息遣いさえ感じる蓮の歌とバンドの音が重なっていく「流星雨」、希望あふれる「雨上がりの坂道」へと続く。優しいけれど力強く、爽やかだけれど芯は熱く、そんなArgonavisならではの音楽で会場をあたたかく包み込み、5人はステージを後にした。

　再び訪れた暗闇を、グリーンのライトが照らし出す。次に登場するのはST//RAYRIDE――プロジェクト的には最も新しいが、作中では最もキャリアがある実力派の2人組バンドだ。こうしてステージに姿を見せるのも、生で音を聴けるのもこの日が初。観客は手拍子をしながら、今か今かと2人の登場を待つ。そして、未知のバンドへの期待や気構えといった、なんとも形容し難い空気をぶった斬る「We are ST//RAYRIDE C’mon」の声を合図に「Leviathan」が投下された。その瞬間の光景と音は、体験した人すべての脳裏に焼き付いたに違いない。想像が形になり、けれどその姿は観たことがない熱を放っている。わかってはいたつもりだが、とてつもない存在感でぶん殴られるような衝撃がそこにはあった。

　「最高の雰囲気やな！ 俺たちがST//RAYRIDE、よろしく！」と、MCボーカルの天王寺龍介（演：林 勇）が叫ぶ。そして、龍介の言う“スーパーハイパーウルトラアルティメットボーカリスト”との紹介に、ボーカルの淀川麟太郎（演：SHIN）が冷静に応える。クールすぎる麟太郎にツッコミを入れる龍介の姿は、ライブ時とはまったく異なるコミカルさだ。

　「もっと馬鹿になろうぜ！」と披露された「GO CRAZY」では観客も一体となって「GO CRAZY！」とコール。悪ガキがそのまま大人になったような龍介の迫力あるラップと歌、妖しく艶やかとでも言えばいいだろうか、曲によって鮮やかに色を変える麟太郎の声は、まさにバンドのキャッチコピーの「表裏一体の白と黒」だ。看板曲「STRAYDASH//STARTDASH」もまた、初めて聴いたときと同じかそれ以上のインパクトがあった。絡み合う歌声、うねるように会場を大きく揺らす圧巻のグルーヴとエネルギー。その変幻自在な2人の歌を支えるサポートメンバーも、アグレッシブなステージングでこのステージに華を添えたことを特筆しておきたい。

　「お前ら最高やな！ 後ろのほうも、2階も……よって、全員最高やな！」と龍介が笑顔を見せる。麟ちゃんからもひと言、と振られた麟太郎は「今日はありがとうございました」と深くお辞儀をし、「俺たちも、もっともっと音楽を届け続けるから、これからも応援してくれると嬉しいです」と穏やかに、かつ堂々と宣言する。そして、かつて味わった絶望を踏み越えてきた想いを込めたという「Carry on the STRIDE」へ。最後に届けてくれたこの曲は、ここまでに感じたある種の“攻撃性”はなく、“共感”とでも言うような感動があった。麟太郎と龍介が、中央の台に乗って背中合わせで歌う。目線を合わせて笑顔を向け合うと、客席に向かって「ありがとう！」と告げた。もっと聴いていたいと感じるほど、短くも素晴らしいステージだった。

　続いては、再びのArgonavis。前半はArgonavisらしさがギュッと詰まったステージだったとしたら、この後半は“新たなスタートと挑戦”を感じさせる楽曲で構成されていたように感じられた。新曲「スーパーノヴァ」は、バンドの作詞を手掛ける航海曰く「アポロレコードに所属してから作った歌で、いろいろな人とぶつかって生まれたエネルギーを曲にした」ものだという。次の「命のクリック」は聴くたびに印象の変わる楽曲だが、この日は力強く踏み鳴らす足音といったイメージが頭に浮かんだ。過去の傷と未来を信じる気持ちを歌という形に昇華した「スタートライン」は、生の5人の歌声と音ならではのハーモニーが感動を呼ぶ。

　MCでは、結人が「これからもたくさんライブがしたい」と、客席のどこかにいる（？）古澤に向かってアピールする姿も。先ほどのストストのライブに良い刺激を受けた様子の5人は「STARTING OVER」を披露、会場の熱に再び火をつける。さらにここで「Reversal」、「JUNCTION」というArgonavisきってのハードなサウンドが痛快な楽曲が続き、会場一体のボルテージが最高潮に。次の「ゴールライン」は、言うまでもなくArgonavisの始まりの一曲だ。ライブで聴く度に成長を感じさせるこの歌は、いつか聴いたときよりもずっと力強く頼もしく「ついにここまで来たんだな」と心が震えた。
　ラストを締めくくったのは、もうひとつの新曲「MILKY WAY」。蓮が「希望の歌」だというこの歌は、意外にもソリッドかつ骨太なロックナンバーで、序盤の英語歌詞や「光って」というフレーズが印象的だ。歌詞をじっくりと味わえるのはもう少しあとになるだろうが、プロとしての彼らの新たな物語が楽しみになる一曲だった。

　アンコールの拍手に応え、ArgonavisメンバーとST//RAYRIDEの2人がステージに再び登場。本プロジェクト恒例の“アンコールは素のキャスト自身で行う”と聞いた林はホッとした表情を見せ、笑いが起きる。同じく初登場のSHINとはもともと交流があったが、一緒にステージをするのが初とのこと。この日は息ぴったりのライブをできたことで、双方が「相棒で良かった」と喜び合った。そして最後に、バンドメンバーの声を演じるキャスト全員からメッセージが贈られた。

橋本祥平（Argonavis／白石万浬役）

　最高でした！　皆様の声がバシバシ届いて、楽しい空間を一緒に共有できて幸せでした。（アポロレコード代表・古澤に向けて）社長、やったよー！ またライブ開催してねー！（笑）

森嶋秀太（Argonavis／桔梗凛生役）

　こうして皆さんの前でライブができるのは当たり前のことではないし、今が本当に幸せでありがたいです。……社長のアクリルスタンドはここ（キーボードの上）に飾っておこう。

前田誠二（Argonavis／的場航海役）

　これでやっと年が明けます！（笑） 新しいキャラクターも増えましたし、これからみんなの新しい一面を見られると思います。僕たちもさらに頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします！

日向大輔（Argonavis／五稜結人役）

　またArgonavisのメンバーとステージに立てたのも、ストストと初めてご一緒できたのも嬉しいです。すごいパワーとエネルギーをもらいました。代表のアクスタは完売らしいので、ぜひ新しいギターを買ってもらいたいです（笑）。

林 勇（ST//RAYRIDE／天王寺龍介役）

　リアルライブとしては初陣でした。僕もArgonavisのライブ刺激を受けましたし、ぜひ皆さんにはストストの名前を覚えていただいて、ライブが楽しかったらぜひ（ネットなどに）書き込んでください！

SHIN（ST//RAYRIDE／淀川麟太郎役）

　楽しかった、に尽きます。自分ではまだまだ最強のボーカリストとは思っていないんですが、麟太郎の名前に恥じぬように精進していきます！

伊藤昌弘（Argonavis／七星 蓮役）

　ストストのめちゃくちゃ格好良いライブに、刺激をたくさんいただきました。それと、今日はサプライズという形で井俣さん（古澤嘉寿樹役・井俣太良）が急きょ影ナレをしてくれました。いろんな方の愛が詰まってできたライブなので、僕たちも皆さんに楽しんでいただけるよう、2024年も突っ走っていきます！

　最後に全員の歌と演奏で披露されたのは「AAside」。本曲は思い入れのあるファンも多いため、タイトルがコールされた瞬間に悲鳴のような歓声が上がった。新たな仲間を得て披露されたこの歌は、過去と同じくらい熱く、だが、これまでとは異なるパワーに満ちていた。2024年、from ARGONAVISプロジェクトはまた新たな旅をスタートする。その道行きが希望と幸せに満ちたものであるよう願わずにはいられない、そんな一夜となった。

［取材・文］玉尾たまお
Photographer：西槇太一

公演概要

公演名：APOLLO RECORDS LIVE 2024 - We are the Star -
出演：Argonavis（七星 蓮:伊藤昌弘、五稜結人:日向大輔、的場航海:前田誠二、桔梗凛生:森嶋秀太、白石万浬:橋本祥平）
ST//RAYRIDE（淀川麟太郎:SHIN、天王寺龍介:林 勇）
Support Member：Gt.加藤貴之、Gt.Ray（STRIX）、Ba.明希（シド）、Dr.MOTOKATSU　　　

1月18日(木)　Zepp DiverCity(TOKYO)
開演 19:00

セットリスト

01.Hey! Argonavis / Argonavis
02.夏のBURRRRN!!! / Argonavis
03.What-if Wonderland!! / Argonavis
04.星がはじまる / Argonavis
05.AGAIN / Argonavis
06.Y / Argonavis
07.流星雨 / Argonavis
08.雨上がりの坂道 / Argonavis
09.Leviathan / ST//RAYRIDE
10.GO CRAZY / ST//RAYRIDE
11.STRAYDASH//STARTDASH / ST//RAYRIDE
12.Carry on the STRIDE / ST//RAYRIDE
13.スーパーノヴァ / Argonavis
14.命のクリック / Argonavis
15.スタートライン / Argonavis
16.STARTING OVER / Argonavis
17.Reversal / Argonavis
18.JUNCTION / Argonavis
19.ゴールライン / Argonavis
20.MILKY WAY / Argonavis
En.AAside / Argonavis × ST//RAYRIDE

国内配信視聴チケット

価格：￥5,500（税込）
受付期間：1月12日(金)18:00～1月24日(水)21:00
配信開始時間：1月18日(木)19:00～
アーカイブ期間：～1月24日(水)23:59まで
受付URL：https://eplus.jp/apollorecordslive2024/st/

※受付開始時刻になりましたらお申し込みが可能となります

海外配信視聴チケット

価格：￥5,500（税込）
受付期間：1月12日(金)18:00～1月24日(水)21:00
配信開始時間：1月18日(木)19:00～
アーカイブ期間：～1月24日(水)23:59まで
受付URL：https://ib.eplus.jp/apollorecordslive2024-st

※受付開始時刻になりましたらお申し込みが可能となります

※全て日本時刻になります

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