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2024.05.02Info

「GYROAXIA REVIVAL LIVE -IGNITION-」オフィシャルレポート

ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」に登場するバンドのGYROAXIAが、2024年4月27日、Zepp Shinjuku(TOKYO)にてライブイベント「GYROAXIA REVIVAL LIVE -IGNITION-」を開催した。本公演は、2020年9月12日に無観客で行われた「GYROAXIA ONLINE LIVE -IGNITION-」のリバイバル公演で、当時のセットリストや演出を基に、“現在”のGYROAXIAがパフォーマンスするというものだ。

リバイバル元となった4年前のライブは、GYROAXIAにとって“初のワンマンライブ”だったが、本公演は彼らにとって“初のオールスタンディング公演”となった。フロアはぎっしりと観客で埋め尽くされ、開演前から早くもコールや手拍子が起こる。会場であるZepp Shinjuku(TOKYO)は、すでに熱気と興奮でいっぱいとなっていた。ちなみに、4年前の無観客ライブはZepp Shinjuku(TOKYO)の目と鼻の先にある新宿BLAZEだったというのも感慨深い。

ステージに現れたボーカルの旭 那由多(演:小笠原 仁)が観客に向かって「ずいぶん気合入ってんな。やろうぜ」と言い、あの日と同じく、彼らの名刺代わりの一曲「MANIFESTO」でライブの幕が切って落とされた。まず驚かされたのはその音の厚みと重さと深みだ。圧倒的な歌唱力とカリスマ性を持つボーカルの那由多を始め、冷静な参謀役であるリーダー兼ギターの里塚賢汰(演:橋本真一)、素直で負けん気が強いギターの美園礼音(演:真野拓実)、天才的な才能の自称宇宙人・ベースの曙 涼(演:秋谷啓斗)、一見ちゃらちゃらしてそうで実はストイックなドラムの界川深幸(演:宮内告典)――同じメンバーでありながら、音を聴いただけで彼らの歩みと努力が伝わってきた。

続いては「現状ディストラクション(Cover)」と「曇天(Cover)」。思わず「懐かしい!」と叫びたくなってしまったのは、GYROAXIAのオリジナル曲が増え、ここしばらくはカバー曲をほとんど演奏しなくなっていたからだ。久しぶりに聴いたこれらの曲では単純な演奏技術の向上だけではなく、楽器の音も声も以前より遥かに多彩な色を見せているように感じられた。触れれば怪我をするような攻撃的な音色から、ある種の円熟味が増したようにも思える。激しさもグルーヴ細やかなテクニックも、このバンドが変わらず圧倒的存在でありながら、また新たなステージへ進んだことがよく分かった。

賢汰
「俺たちにとって節目となるこのライブ。皆の目にしっかり刻みつけると約束しよう」

礼音
「今日は俺たちのライブに来てくれてありがとう。俺たちの演奏から目を離さないでくれよな」


「今日もジャイロの音楽で、たくさんの地球人を幸せにできるね。みんなの声、いっぱい聞かせてくれると嬉しいな」

深幸
「会場のみんなも、配信で見てくれてるみんなもライブ楽しんでる? 俺のドラムで全員惚れさせてやるから覚悟しとけよ」

那由多
「俺たちは好き勝手にステージをやりにきた。お前らも同じようにすればいい」

自己紹介と挨拶を挟み、曲は「EGOIST」そして「HOWLING(Cover)」へ。ここまでたったの5曲であることが信じられないほど、会場中がこれ以上ない熱気に包まれて息苦しいほどだ。そして、4年前のライブでは新曲として演奏された「GET MYSELF」はアレンジを加えて披露。この曲は礼音がフィーチャーされた一曲ということもあるのか、ステージでは那由多と礼音が背中合わせで演奏する場面も。思えば、GYROAXIAというバンドは少しずつ絆の形を変えるようにしてここまで来た。そのことを思い、再び胸が熱くなる。

メンバーが一度ステージから捌け、再び現れた涼がひとり語り出す。これは4年前にはなかった演出だが、ここでの語りは、彼が故郷の星に帰るために音楽で地球人を幸せにするという内容だけではなかった。「オレたちは次のステージに進むんだ」「大切な一等星をみんなで永遠に支えていく」という、GYROAXIAの未来。この想いは涼の目線を通したというだけでなく、5人全員の総意であることは間違いないのだろう。

そして、涼に替わってステージに姿を現したのは那由多と賢汰。披露するのはギター一本と歌声だけの「IN MY WORLD Acoustic Ver.(Cover)」だ。こちらもまた、さらに艷やかになったボーカルとエモーショナルなギターの音色で楽曲の新たな魅力を引き出してみせた。次に礼音がギター、深幸がカホンで加わり「裏切りの夕焼け Acoustic Ver.(Cover)」へ。客席からは自然に手拍子が起き、普段とは全く異なるスタイルの見事な演奏を支えた。

ステージが暗転、土砂降りの雨と雷の音。そして、これまでのバンドの歩みを振り返る映像が流れ始める。ライバルであり音楽仲間でもあるArgonavisとの出会い。那由多の生い立ちと父との確執、バンドの危機とそれを乗り越えた前進――。思い出深い場面では、観客から大きな歓声が上がっていた。
次に披露された「REVOLUTION」は、那由多のアカペラから続く力強く太い叫びで始まった。我々の前に最初に現れた時と同じ、印象深い那由多の真っ赤な革ジャンを始めとした衣装に着替えた5人。初登場から数年経った今だからこそ、この姿にはグッとくるものがある。涼がセンターに立ち、賢汰と顔を見合わせて微笑む。これまた久しぶりの「CORE PRIDE(Cover)」の演奏が終わり、歌い終えた那由多が去った。

演奏隊4人によるコミカルなトークが楽しいグッズ紹介を経て、ライブはいよいよ終盤へ。4年前に新曲として初披露された「GETTING HIGH」は、今やGYROAXIAのライブの中でも高い人気を誇る縦ノリのナンバーだ。那由多が「お前ら、まだ全然足りねえんだよな?」と煽り、観客が大歓声と手拍子で応える。有観客、生で対峙した人間どうしだからこそ生まれるエネルギーで会場はさらにヒートアップ。鼓動のようなリズムから高みへと到達する「LIAR」を投下し、本編ラストは「SCATTER」。イントロが始まった瞬間、ここで初めてステージ後方に「GYROAXIA」のロゴが浮かび上がった。メンバーたちが深幸のいるドラムを囲むようにして立ち、文字通り爆発するような勢いの音圧が生まれる。数年前と同じセトリとほぼ変わらない演出でありながら、一回りもふた回りも大きくなった5人の存在感に心が強く揺さぶられた。そして燃え盛るロゴを残し、メンバーはステージを後にした。

「GYROAXIAは次のステージに行く。俺は道を切り開き、全てを掴み取る。感情を燃やせ。意思を貫け。それができるやつはついてこい」と言う那由多の言葉から、アンコール1曲目はライブタイトルでもある「IGNITION」。これもまた当時のライブで新曲として披露されたのだが、初めて聴いたときに「こんな曲がGYROAXIAから生まれるのか」「那由多がここまで心情を吐露するのか」と驚いたファンは多かっただろう。だが、IGNITION(“火を灯す”)という意味の通り、このひとつの到達点は、その後も歩みを止めなかったことで通過点となったということを痛感する。

ダブルアンコールでは、当時のセトリにはなかった楽曲が披露された。あたたかく希望に溢れるサウンドの「WITHOUT ME」の演奏を終え、5人はキャラクターではなく“素”のキャストに戻ってのトークタイムへ。賢汰役の橋本が「眼鏡取りまーす!」と言い、お約束のアンコールの眼鏡外しで笑いが起きる。少し肩の荷が下りた様子のメンバーたちだが、那由多役の小笠原を始め「当時(4年前)の僕ら、なんでこのセトリが出来てたんだろう」と口々に言うほど、この日はハードなステージになったらしい。そんな“やり切った”感もありつつ、メンバーひとりひとりからファンに向けて感謝のメッセージが届けられた。

 

秋谷啓斗(曙 涼 役)

ライブが始まる前から、楽屋のモニターで皆さんのこと見てたんです。(盛り上がっていて)本当に嬉しくて泣きそうでした。
皆さんの想いに答えて僕たちもぶつけに行ったけど届いたかな!? これからもどんどん熱いライブをかましていくのでついてきてください!

 

真野拓実(美園礼音 役)

有観客でライブが出来なかったり声も出せないような長い期間がありましたが、信じて僕たちに着いてきてくださった皆さん、本当にありがとうございます。
4年間あっという間だったけど、これからも楽しく活動していければなと思っています!

 

小笠原 仁(旭 那由多 役)

4年前に無観客ライブをやりましたが、あんなに寂しいものだっていうのはやってみるまでわかりませんでした。
今回のリバイバル公演では、キャラクターやお客さんにこの景色を見せるのはもちろん、僕らがあの想いを4年越しに昇華できる日になるのかなと思いました。
皆さんのおかげで満足以上のライブになりました!

 

橋本真一(里塚賢汰 役)

4年前よりできることや新しく楽しめることも増え、濃密な時間を歩んで来られたんだなというのを実感しました。
4年前の自分と向き合い、自分の人生にとってGYROAXIAがすごく大切なんだなと思いました。
これからも皆さんと一緒に歴史を重ねていければと思います。

 

宮内告典(界川深幸 役)

最近、やっぱりこのメンバーってすごくかけがえのない奴らだって感じています。年齢もパートも関係なく、きっとこれからも仲良くやってくんだろうなって。
だからこれからも、このメンバーを守って大事にしていきたいなって思ってます……!

 

そして最後に、リアルバンドとしてのメジャーデビュー曲であり、GYROAXIAの第2章ともいえる新たなサウンドを展開した「Freestyle」、会場に熱狂の渦を生み出す「DANCING PARANOIA」を演奏。キャラクターとしての本編では見られない、メンバー同士が肩を組んだり笑い合ったりといった仲の良さを見せ、大盛況のうちにステージが終了した。

ただひたすら前を向いて歩みを続けてきたGYROAXIAが、ふと過去に立ち返って届けてくれたリバイバル公演。彼らは再び前を向き、さらなる高みを目指していくのだろう。この先の5人がどんな景色を見せてくれるのか大いに期待しながら、次にライブが観られる日を心待ちにしている。

[取材・文]玉尾たまお
Photographer:白石達也

公演概要

公演名:GYROAXIA REVIVAL LIVE -IGNITION-
日時:2024 年 4 月 27 日(土)

会場:Zepp Shinjuku(TOKYO)
出演:GYROAXIA(旭 那由多:小笠原 仁、里塚賢汰:橋本真一、美園礼音:真野拓実、曙 涼:秋谷
啓斗、界川深幸:宮内告典)
詳細:https://argo-bdp.com/live/post-40121/

セットリスト

01. MANIFESTO
02. 現状ディストラクション(Cover)
03. 曇天(Cover)
04. EGOIST
05. HOWLING(Cover)
06. GET MYSELF/GYROAXIA
07. IN MY WORLD Acoustic Ver.(Cover)
08. 裏切りの夕焼け Acoustic Ver.(Cover)
09. REVOLUTION
10. CORE PRIDE(Cover)
11. GETTING HIGH
12. LIAR
13. SCATTER
EN1. IGNITION
WEN1. WITHOUT ME
WEN2. Freestyle
WEN3. DANCING PARANOIA

国内配信視聴チケット

価格:¥5,500(税込)
受付期間:4月15日(月)18:00~5月3日(金)21:00
アーカイブ期間:~ 5月3日(金)23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/gyro2024_ignition/st/

※海外配信はございません

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