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2024.08.08Info

「Fantôme Iris × 風神RIZING! LIVE 2024 - 銀華雷鳴 -」オフィシャルレポート

2024年8月4日、ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」に登場するバンドFantôme Irisと風神RIZING!が、東京・渋谷のSpotify O-EASTにてライブイベント「Fantôme Iris×風神RIZING!LIVE 2024 -銀華雷鳴-」を開催した。これまでに共演経験のある2組だが、一対一のステージは初。まったく異なる音楽性と作中での所属レーベルを超えた対バンには、オールスタンディングのフロアをびっしりと埋め尽くすほど大勢のファンが集まった。

先陣を切ったのは、長崎出身のスカバンド風神RIZING!。ボーカル&サックスの神ノ島風太(演:中島ヨシキ)が高く天を指差し「FLYハイハイ」を歌い始めると、会場は太陽が顔を出したような眩しさに包まれた。トロンボーンの若草あおい(演:酒井広大)が満面の笑顔でコーレスを促し、会場がますます盛り上がっていく。続けて、リーダー兼ベースの“みんなのアニキ”早坂絋平フィーチャー曲「夢見るBoy守るため」へ。センターの台に立って迫力のベースソロを聴かせる絋平の勇姿に、フロアから爆発するような大歓声が上がる。

昨年12月に開催された日比谷野外大音楽堂のワンマン以来の披露となる「フウライパーティーバイブ」は、MCタイムでの練習のおかげもあってか、会場中が一体となったコーレスが響き渡る。野外では音が空に突き抜ける爽快感だったが、今回のライブでは、極めて濃密なライブハウスのエネルギーに包まれる感覚で胸が熱くなった。
右肩上がりで盛り上がっていくステージは、次の「女々しくて」でさらにヒートアップ。まさかのカバー、まさかの選曲に観客は笑いと喜びがないまぜとなった歓声を上げつつ、ポンポンを持って踊る風太&あおいと一緒になって揺れる。それはとてつもない一体感で、これはバンドサウンドを愛する者の魂に刻まれたリズムなのかもしれない……などと思わされた。

すっかり温まった……というより、熱すぎるくらいになった会場の空気。期待でいっぱいの中、妖艶な色合いの照明に包まれた5人がゆったりとステージに現れた。ボーカルの“吸血鬼の王”FELIXは「元気にしていたかい?」と微笑んだかと思うと、一転して「全力でかかってこい!」と、麗しくも重厚な「Brilliant Days」を投下。遠吠えする狼のようなZACKのギター、匂い立つ華のように美しいHARUのベース。ここまでの空気を瞬時に塗り替え……というより、5人はその場にいる全員の目と耳を酔わせ、“Fantôme Irisの世界”へと連れて行ったように見えた。「XX in Wonderland」では、FELIXが「もっと聴かせろ!」と眷属たちを煽り、会場一体となった掛け声が響く。この日のFELIXはいつものように気高くありながらも、いつも以上に好戦的にも見える。

グラスを掲げ、ワインで喉を潤したFELIXによるメンバー紹介を経て、次に披露したのは「Into the Flame」。抑圧から解き放たれたような激しいギターを聴かせるLIGHTがFELIXと背中合わせになり、悲鳴にも似た歓声が上がる。耽美、妖艶、重厚、荘厳、あらゆる称賛の言葉が頭に浮かぶが、そのどれを持ってしても彼らの創る世界を言い表すことはできない。その後、驚きのカバー曲「Rusty Nail」が投下された。強烈な超重量級感のDのドラムが支えるこの1曲は、風神RIZING!のカバーとはまた別の意味で「ついにこれが来たか!」と唸ってしまった。原曲どおりのキーで歌い上げてみせたFELIXの姿に、楽曲へのリスペクトとボーカルとしての矜持を見た。

後半戦、再びステージに現れた風神RIZING!。圧巻のFantôme Irisのステージのあと、どう展開していくのか? と思いきや、一瞬どの曲かわからないほど重厚なサウンドが広がっていく。いつもの底抜けな明るさとは違うヘヴィなこの曲は、スペシャルバージョンの「NO RICE NO LIFE」。かっこよすぎるサウンドに乗って歌われる歌詞は、ギターの大和がこよなく愛する“米”に捧げた想いである。そして次の曲も愛の歌、ドラムの岬が一目惚れしてしまったFantôme IrisのHARUを想って書かれた「フラれた男のラブレター」だ。この曲ではなんと、“岬にだけ見える幻影”のHARUがステージ脇に登場。岬からHARUへまっすぐ届くハートのレーザーを見て、その場にいた誰もが岬の幸せを願ったに違いない。

続いてはメンバーの出身地である長崎に向けた歌、「NAGASAKI讃歌」を演奏。観客も一緒になって長崎を讃えるコールを送り、少し離れた南の地へ向けたエネルギーを飛ばす。次の「フウライ全力ジャンプ」では、会場にいる全員が残りの体力をすべて使い切る勢いで飛び跳ねる。途中に挟まれたほのぼのパートでは、フロアのあちこちで肩を組み、身体を揺らすファンも。そして風神RIZING!のターンのラストを飾ったのは、ハートフルで聴く人の背中をグッと押してくれるような「SWORD!」。この時間が永遠に続けばいいのにというほんの少しの切なさが、彼らへの想いをより強くさせるような時間だった。

風神RIZING!から再びバトンを渡されたFantôme Irisは、ライブ初となる「下弦の月夜」を披露。美しいメロディに涙がにじむような楽曲だが、生で聴くことでその感覚がさらに強くなった眷属も多かったはずだ。しっとりとした空気に包まれる中、次は新曲の「purgatorio」が演奏された。歌い始めは幾重にも重なった花びらが開くかのようなドラマチックさで、煉獄に咲くたおやかな花を連想させた。ラスト、どこまでも響き続ける歪(ひず)んだギターの音色が心に突き刺さる。

演奏隊による大迫力のインストを挟み、ガイコツマイクを片手にしたFELIXがデスボイスを聴かせる「ザクロ」へ。ここではもはや、メンバー全員が獣に変身したかのごとく激しい演奏を繰り広げる。このバンドが世に登場した当時の看板曲「銀の百合」は、ここにきてさらなる円熟味を感じさせる演奏で、フロアは狂宴そのものといった様相に。そして、この怒涛の本編を締めくくったのは「ラプソディア」。言うなればオペラのような、壮大で色濃い世界観の本曲は、まさにFantôme Irisの真骨頂だ。彼らにしか生み出せない、唯一無二のサウンドと世界観で観る者すべてを虜にし、5人はステージを後にした。誰もいなくなった舞台、おそらくは誰もが濃密な夢から目覚めたように放心したのではないだろうか。

アンコールに応えてすべてのメンバーがステージに再登場、オールキャストによる「ピエロ」が届けられた。実にヴィジュアル系らしいFantôme Irisの楽曲だが、一緒に頭を振ったり拳を上げたりする風神RIZING!メンバーと、いつもとは違う歌唱を聴かせる風太の貴重な姿にフロアは大盛りあがりに。

一同が演奏を終えると、FELIXを演じるランズベリー・アーサー、風太を演じる中島ヨシキ、あおいを演じる酒井広大によるMCタイムへ。お互いの初披露カバー曲についてや各楽曲についてのエピソードトークに花を咲かせ、最後にファンへ向けてメッセージが寄せられた。

酒井広大(風神RIZING!/若草あおい 役)

今日はテンションが上がりすぎてしまいましたが、そのくらい楽しかったです。本当にありがとうございました! 良い意味で温度差のある2組でしたよね。まだまだ暑い夏が続きますが、それにぴったりなライブだと思いました。最後まで声を出していきましょう!

中島ヨシキ(風神RIZING!/神ノ島風太 役)

今日はどこのフェスにも負けないくらい盛り上げられたんじゃないかなと思います。アンコールの皆さんの声も全部聴こえてました。たくさん声出したあとのお酒は喉にしみるのでほどほどに(笑)。楽しかった今日があるから明日も頑張れます。次の場所も用意したいと思いますので、またブチ上がりに来てください!

ランズベリー・アーサー(Fantôme Iris/FELIX 役)

今日はやりたかった曲にも挑戦できて、久しぶりに皆さんの前で演奏してすごくパワーをもらいました。早く次のライブがしたいですね! この冬服で夏の野外もやりますよ(笑)。このコンテンツがもっと広がって、もっとライブができるようになったら最高だと思います。これからもよろしくお願いします!

最後の曲は、再びオールキャストによる風神RIZING!の楽曲「バンザイRIZING!!!」。演奏する風神RIZING!のメンバーだけでなく、ポンポンを持って花を添えるFantôme Irisのメンバーも笑顔で飛び回る姿を見せる。そして、会場中がどこまでも明るくポジティブなエネルギーでいっぱいに包まれ、すべての演目が終了した。
ジャンルもレーベルも異なる2つのバンドが持てる力のすべてを出し尽くし、輝きと鳴動を生み出した「銀華雷鳴」。この奇跡のような一夜は、いつまでも人々の心に残り続けることだろう。

 

[取材・文]玉尾たまお
Photographer:西槇太一

公演概要

公演名:Fantôme Iris × 風神RIZING! LIVE 2024 - 銀華雷鳴 -
日時:2024年8月4日(日)
   開場 17:00 / 開演 18:00(予定)
会場:Spotify O-EAST
出演:
Fantôme Iris
 FELIX:ランズベリー・アーサー
 Support Member Gt.LIGHT:冬真、Gt.ZACK:YOUSAY、Ba.HARU:めんま、Dr.D:KENZO

風神RIZING!
 神ノ島風太:中島ヨシキ、若草あおい:酒井広大
 Support Member Gt.椿 大和:芝山武憲、Ba.早坂絋平:目黒郁也、Dr.五島 岬:RYOTA

詳細:https://argo-bdp.com/live/post-40318/

セットリスト

01. FLYハイハイ/風神RIZING!
02. 夢見るBoy守るため/風神RIZING!
03. フウライパーティーバイブ /風神RIZING!
04. 女々しくて (Cover) /風神RIZING!
05. Brilliant Days/Fantôme Iris
06. XX in Wonderland/Fantôme Iris
07. Into the Flame/Fantôme Iris
08. Rusty Nail (Cover)/Fantôme Iris
09. NO RICE NO LIFE(Special version)/風神RIZING!
10. フラれた男のラブレター/風神RIZING!
11. NAGASAKI讃歌/風神RIZING!
12. フウライ全力ジャンプ/風神RIZING!
13. SWORD!/風神RIZING!
14. 下弦の月夜/Fantôme Iris
15. purgatorio/Fantôme Iris
16. ザクロ/Fantôme Iris
17. 銀の百合/Fantôme Iris
18. ラプソディア/Fantôme Iris

EN1. ピエロ/ALL CAST
EN2. バンザイRIZING!!!/ALL CAST

国内配信視聴チケット

価格:¥5,500(税込)
受付期間:7月26日(金)18:00~8月10日(土)21:00
アーカイブ期間:~ 8月10日(土)23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/fantomeiris_fujinrizing2024/st/

※海外配信はございません

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