from ARGONAVIS Official Site
2025.05.07Info
ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」が、2025年5月1日、豊洲PITにて「from ARGONAVIS 7th Anniversary LIVE - Seventh Heaven -」を開催した。これは本プロジェクトの7周年を記念したライブで、作中に登場するバンドのArgonavis・GYROAXIA・ST//RAYRIDEの3組が出演。バンドプロジェクトのアニバーサリーにふさわしく、それぞれの個性と魅力が光る公演となった。
トップバッターは“大阪出身の2人組ロックバンド”ST//RAYRIDE。スクリーンにロゴが映し出されるやいなや、待ってましたとばかりにフロアの温度が上がる。ステージの左右から現れたボーカルの淀川麟太郎(演:SHIN)とMCボーカルの天王寺龍介(演:林 勇)がセンターでハイタッチすると、ひときわ大きな歓声が上がった。ST//RAYRIDEは、リアルバンドとしては2024年1月に開催された「APOLLO RECORDS LIVE 2024 - We are the Star -」以来2度目のライブということもあり、観客は彼らの音のひとつも一挙手一投足も見逃すまいとしているようだ。そんな中、開幕に投じられたのは「Leviathan」そして「GO CRAZY」。どのフレーズを切り取っても圧倒的な存在感を示す龍介のラップに、幅広い音域と多彩な表現力で魅了する麟太郎のボーカルが絡み合う。強いコントラストを感じさせながら、唯一無二の見事な調和を見せるのがST//RAYRIDEの魅力だ。作中では一番のベテランバンドという設定に頷くしかない説得力は、ボーカリストたちの実力はもちろんのこと、笑顔で観客を操ってみせるステージングにもある。それに加え、2人に負けじと熱い演奏を聞かせるサポートメンバーもさすがの一言だ。
「ここらで一発挨拶いっとこか!」と口火を切った龍介が、麟太郎の紹介で「我らがスーパーハイパーウルトラアルティメット最強最高ボーカリストにして超ウルトラ......」と言い始め、麟太郎が「前より増えてない?」とストップをかける姿に笑いが起きる。ライブから一転してコミカルなやりとりを見せてくれるギャップも、彼らにハマる要素のひとつだ。
ひと休憩挟んだあとは、鋭さと勢いに満ちたロックチューン「絶唱フロンティア」へ。開幕から3曲目とは思えない観客の興奮ぶりだが、次に投下された「革命デュアリズム(Cover)」がさらにテンションをブチ上げる。原曲は力強いボーカルがぶつかり合うナンバーで、たしかにストストにはうってつけと言える。この曲をやろうと言い出したのは龍介か麟太郎か……そんなことを想像するのも、このプロジェクトの醍醐味だろう。続けて演奏された看板曲「STRAYDASH//STARTDASH」は、世界にリベンジを誓い、戦い続ける2人が放つ挑戦状だ。ST//RAYRIDEはシビアな過去を持つバンドだが、それでもなぜ音楽を続けるのか、その答えがこの楽曲やパフォーマンスに込められているのかもしれない。
ついに最後の曲となり、全員が締めくくりを名残惜しむ。すると龍介が「今日はあと一曲かもしれんけど。こん先もずっと、ずーっと俺らストストは、ステージを突っ走っていくで!」と言い、麟太郎も「俺たちは、これからも二人でずっと走り続けていく」と宣言。そして、約束の歌だという「Carry on the STRIDE」を披露した。原作で麟太郎が「込めたい想いや願いがたくさんあった」と語っていたこの曲は、ちょっと驚くくらいストレートで爽やかなロックだ。ラスサビで龍介と麟太郎が背中合わせになり、まだ見ぬ未来へ向けて歌声を重ねる。清々しい希望にあふれた音の余韻が残るフィナーレは、まるでフルセットのライブを見終えた充足感だ。それでいて見ている間は時間が経つのも忘れ、一瞬の出来事だったようにも思える圧巻のステージだった。
会場が暗転しても、しばらく興奮が冷めやらないフロア。やがて青く光るArgonavisのロゴが浮かび上がり、BGMが流れ出した。穏やかで、けれど大きな力を秘めた大海を想起させる音と空気の広がり。まだ暗いステージに現れたボーカルの七星 蓮(演:伊藤昌弘)、ギターの五稜結人(演:日向大輔)、ベースの的場航海(演:前田誠二)、キーボードの桔梗凛生(演:森嶋秀太)、ドラムの白石万浬(演:橋本祥平)の5人がステージ中央に円陣となり、重ねた手を掛け声とともに空高く上げた。運命で結ばれた彼らの姿に感動を呼び起こされ、大歓声が上がる。
「Argonavisです。よろしくお願いします!」と蓮が元気よく挨拶し、「Starry Line」を披露。航海の作詞ノートを思わせる映像演出が、試行錯誤を繰り返しながらも支え合って進んできた彼ららしい。「歌っていいと教えてくれたのは君」と歌う蓮に、ひとりぼっちだった彼を見つけた結人が親指を立てて見せ、客席が喜びに包まれた。続けて演奏された「スーパーノヴァ」は、前回のライブの際、航海が「いろいろな人とぶつかって生まれたエネルギーを歌にした」と話していた一曲だ。Argonavisは言葉の持つ力や想いを極めて大切にしているバンドだと思うが、蓮のクリアで芯の強い歌声が、それをまっすぐにこちらの耳と心に届けてくれる。
メンバーの自己紹介を挟み、次の曲タイトルを告げた瞬間、ワッと大きな声が上がる。それもそのはず、カバー曲「くちづけDiamond」は実に数年ぶりの演奏だったからだ。印象的な凛生のピアノから、速まる鼓動のような万浬のドラム。それに合わせた観客の手拍子が、あまりにも暖かく響いた。続くミドルテンポのナンバー「僕の日々にいつもいてよ」は、迷いや願いを歌ったラブソングでもあり、バンドからファンに向けたメッセージのようにも思える。優しく残るぬくもりはそのままに、「スタートライン」が静かにスタートした。この曲は「ゴールライン」で始まったArgonavisが、新たな旅へと歩みを進めた一曲とも言える。メンバーが代わる代わる歌いながら、蓮がフロアに向かって「皆さんの声を聴かせてください!」と叫ぶ。メンバーだけでなく、観客もひとつになって完成するメロディ。Argonavisの音楽が心を熱くするのは、どんな困難があっても「決してひとりじゃない」「大丈夫だ」と全力で伝え、寄り添ってくれるからだ。
ラストのMCでは、まだ演奏し足りないメンバーたちが、次の出番のGYROAXIAへの闘志をにじませる。そして蓮が「僕たちの音楽を、ずっともっと遠くの未来へ届けたい。この気持ちが何光年も先まで光って、終わらない歌になるように」と告げ、今の自分たちの気持ちにぴったりだという「MILKY WAY」を演奏した。想いが生まれ、伝え、そうして歩んできた道のりを丸ごと抱えて未来に誓う。この日のセトリの中でもかなりの凄みを感じる演奏であり、涙がこみ上げるような力強さに満ちていた。そしてラストを飾ったのは、初披露となる新曲「Breath!」。ピンと張り詰めていた緊張が良い意味でほぐれ、観客を笑顔にする。フロントメンバーの軽やかなステップも微笑ましく、ポジティブで幸せな空気に包まれ、Argonavisのターンが幕となった。
3バンドのラストを飾るのはGYROAXIAだ。真っ赤な光に照らされたステージに、ボーカルの旭 那由多(演:小笠原 仁)、ギターの里塚賢汰(演:橋本真一)、リズムギターの美園礼音(演:真野拓実)、ベースの曙 涼(演:秋谷啓斗)、ドラムの界川深幸(演:宮内告典)が現れると、会場の空気が瞬時に熱を帯びる。そして那由多が「MANIFESTO」と告げた瞬間、天井を突き破るかのような歓声が上がった。ラウドなロックサウンドと激しい歌声がぶつかり合い、息を呑むエネルギーが生まれる。バンドが繰り出す音圧に加え、観客の熱狂と没入ぶりが、原作での“絶対王者”の呼び名へ説得力を与えていた。最後の音が鳴り終わる瞬間、深幸のドラムで「NEW ERA」へと続く。どっしりと重厚なサウンドは、どこか原始的なエネルギーを感じさせる。鋼で出来た楔のように、一つ一つの音と歌声が心に打ち込まれていく。
2曲を終え、賢汰が口を開いた。前2組のステージを称えつつ「だが、トリは俺たちGYROAXIAだ。更なる熱狂を約束しよう」と、あくまでも紳士的に“勝利宣言”をかますのが賢汰らしい。メンバー紹介を経た後、那由多が観客に手拍子を煽る。そして「全員好き勝手に音の波に乗れ」と告げ、ステージは「Freestyle」へ。フロアの観客という観客が縦に揺れ、会場を大きく揺らす。流れるように「DANCING PARANOIA」と続き、休むことのないグルーヴがますますボルテージを高めていく。中央の台には、那由多を中心として礼音と賢汰が悠然と立ち、存在感を見せつけた。センターに歩み出た涼がベースプレイを見せ、次の「CORE PRIDE(Cover)」へ。本曲は前回の演奏から1年 ほどしか経っていないものの、より洗練されたサウンドと余裕を感じさせるパフォーマンスに変化している。人気の高いカバーということもあってか、会場のテンションも最高潮に達した。
メンバーが一言ずつ終わりを惜しみ、ステージはラストスパートへ。那由多が「最後までその灯(ひ)を絶やすな。『Unshakeable』」と短く呟いた。火は言葉よりも先に生まれ、夜に光を与えたもの。彼らの“揺るぎない信念”が音楽になり、聴く者の心に火を点す。それはきっと、誰かが進む道を照らす道標になるはずだ。
炎はいつしか一筋の光に変わり、ステージ中央の那由多を包む。那由多がアカペラで歌い始めると、これまでの熱狂が嘘のように静まり返った。GYROAXIAのラストを飾る「FAR AWAY」は、爽やかな空気がどこまでも広がっていくようなサウンドだ。腰掛けて歌う那由多のもとに、いつしかメンバーが集まっていく。フロア中の観客がステージに向かって手を伸ばし、この時間の終わりを惜しんでいる。音楽が鳴り続ける中、歌い終えた那由多がステージを去り、礼音と涼も笑顔であとに続く。賢汰の肩に手を回して歩き出す深幸を見ながら、GYROAXIAの“今”を感じた。
アンコールでは3バンドのメンバー全員がステージに集結、“素”のキャストとしてトークに花を咲かせる。また5月12日でプロジェクトが7周年を迎えることを記念し、「from ARGONAVIS」全27人のキャラクター新規ビジュアルが公開となり、大きな拍手が寄せられた。そして、今日のライブに寄せて各バンドのボーカルから挨拶があった。
作品の中ではArgonavisの先輩という立ち位置ですが、こうしたライブは今日が2回目でした。昔から仲の良いSHINくんと役で一緒に歌う機会をいただけて、非常に感謝の気持ちです。まだまだ続くと思いますし、またST//RAYRIDEとして全力で皆さんと音楽で楽しめたら今日もこんなにたくさんの方に集まっていただけて楽しかったですし、また皆さんと絆を深めていきたいなと思いました。
本当にあたたかくST//RAYRIDEを迎えていただき、楽しんでいただけて嬉しかったです。僕自身、淀川麟太郎というキャラクターに成長させてもらっている立場です。麟ちゃんの完璧なところを目指して頑張っていきますので、引き続きST//RAYRIDEをよろしくお願いいします!
このコンテンツがこれまでに積み上げてきた日々の中で、ほかのバンドのセトリを見たり、控室や舞台袖でパフォーマンスを見て「自分たちも頑張らなきゃ」って気持ちになって……思えば、そういうのを常にやり続けてきた 数年間だったなと。このコンテンツのあたたかさや歴史を感じた一日だったなと思います。あらためて、ありがとうございました!
あらためまして、ご来場ありがとうございます。自分の悪い癖で、皆さんに真摯に向き合おうとすると「この感じでライブ終わるの?」とすごく真剣なトーンになってしまうんですが……。今日はこんなにたくさんの方に来ていただけて嬉しいですし、まだまだコンテンツとして皆さんにお会いできるチャンスはたくさんあるので、全員一丸となってより良いものを目指して進んでいきたいと思います。
そして“船長”の伊藤がラストに観客を盛り上げようと「皆さん大きな声で歌ってください! 『ゴールライン』!」とコール。メンバーも満面の笑顔で演奏し、それを見守る観客も喜びの声をあげ、音楽に乗る。伊藤は過去一番とも言えるロングトーンを聴かせ、喝采が起きた。そして楽しくも感動的な余韻を残し、すべての演目が終了した。
[取材・文]玉尾たまお
Photographer:白石達也
価格:¥5,500(税込)
受付期間:4月24日(木)18:00~5月7日(水)21:00
アーカイブ期間:~ 5月7日(水)23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/argo_7thanniversary/st/
※海外配信はございません
公演名:from ARGONAVIS 7th Anniversary LIVE - Seventh Heaven -
日時:2025年5月1日(木)
開演 19:00
会場:豊洲PIT
出演:Argonavis
七星 蓮:伊藤昌弘、五稜結人:日向大輔、的場航海:前田誠二、桔梗凛生:森嶋秀太、白石万浬:橋本祥平
GYROAXIA
旭 那由多:小笠原 仁、里塚賢汰:橋本真一、美園礼音:真野拓実、曙 涼:秋谷啓斗、界川深幸:宮内告典
ST//RAYRIDE
淀川麟太郎:SHIN、天王寺龍介:林 勇
Support Members Gt.加藤貴之、Gt.Ray(ANIMA)、Ba.明希(シド)、Dr.植木建象
M1.Leviathan/ST//RAYRIDE
M2.GO CRAZY/ST//RAYRIDE
M3.絶唱フロンティア/ST//RAYRIDE
M4.革命デュアリズム(Cover)/ST//RAYRIDE
M5.STRAYDASH//STARTDASH/ST//RAYRIDE
M6.Carry on the STRIDE/ST//RAYRIDE
M7.Starry Line/Argonavis
M8.スーパーノヴァ/Argonavis
M9.くちづけDiamond(Cover)/Argonavis
M10.僕の日々にいつもいてよ/Argonavis
M11.スタートライン/Argonavis
M12.MILKY WAY/Argonavis
M13.Breath!/Argonavis
M14.MANIFESTO/GYROAXIA
M15.NEW ERA/GYROAXIA
M16.Freestyle/GYROAXIA
M17.DANCING PARANOIA/GYROAXIA
M18.CORE PRIDE(Cover)/GYROAXIA
M19.Unshakeable/GYROAXIA
M20.FAR AWAY/GYROAXIA
EN.ゴールライン/ALL CAST
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