from ARGONAVIS Official Site
2022.10.28Live/Event
ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」が、2022年10月23日、Zepp DiverCtyにて「ARGONAVIS Concept LIVE TOUR 神ノ島風太 Presents お祭りフェスティバル!!!」を開催した。
本公演では、プロジェクトに登場するバンド風神RIZING!のボーカル・神ノ島風太が主催したイベントという設定だ。本公演を含めて、全国3箇所のツアーが予定されているコンセプトライブツアーだ。 今回のイベントには風神RIZING! のほか、キャラクターを演じる声優やバンドのサポートメンバーが多数出演、お祭りを盛り上げた。
これまでにも混合バンドによる演奏はあったものの、独立したひとつのイベントとしては初の試みである本ライブ。オープニングを飾ったのは、Argonavisのギター・五稜結人(演:日向大輔)、風神RIZING!のベース・早坂絋平(サポート:目黒郁也) 、GYROAXIAのドラム・界川深幸(演:宮内告典)によるカバー曲「ALONES」だった。初っ端に3ピースバンドがくるとは、一体誰が予想できただろうか。確かな演奏力による3人とは思えない音の厚みに、一気にステージに引き込まれてしまう。観客は「こうきたか!」と沸き立ちつつ、それぞれのバンドやメンバーカラーのペンライトを振ってステージを応援する。初めての組み合わせによる演奏はもちろんのこと、普段はギターとコーラスの結人がメインボーカルを務めるのも嬉しいサプライズである。心の機微が伝わるような、爽やかで「青春」を感じさせる歌声だ。
歌い終えた結人が元気よく「皆さんこんばんは! 神ノ島風太プレゼンツ、お祭りフェスティバルへようこそ!」と叫び、メンバー紹介へ。ここでは深幸が「3人で演奏なんて新鮮。今日は俺の出番がたくさんあるから楽しみにしててくれよな」と言い、結人と指を差し合い、お互い笑顔になる場面もあった。
2曲目はアグレッシブなロックナンバー「DAY✕DAY」。今日のライブは風太が編成やセトリをプロデュースしたとのことだが、何よりも観客を喜ばせたい彼が3人にオープニングを任せたのは、それだけ信頼を置いているということに他ならない……と、音からも伝わってくるような気がした。そして「心の中で一緒に歌ってほしい」と告げたラストの曲は「サムライハート(Some Like It Hot!!) 」。実はかなり初期ではあるが、結人はライブでこの曲のメインボーカルを務めたことがある。古くからのファンにとっては、そういう意味でも願ってもない驚きだったかもしれない。
興奮冷めやらぬ中、次に登場したバンドも観客を大いに驚かせるステージを展開した。ドラムとベースの演奏は引き続き深幸と絋平が務め、ギターには風神RIZING!の椿 大和(サポート:芝山武憲) とFantôme IrisのLIGHT(サポート:冬真) が加わり、GYROAXIAではベースを担当する曙 涼(演:秋谷啓斗)がキーボードを、風神RIZING!ではトロンボーンとコーラスの若草あおい(演:酒井広大)がメインボーカルのスペシャル編成だったのだ。あおいははにかむような笑顔を浮かべながら「小さな恋のうた」を熱唱、普段はベースに徹する涼も一緒に歌を披露する。2人の甘い歌声が絡み合い、キュートなサウンドで観客を魅了した。
MCでは、あおいが照れながら「風太の無茶振りで、今日はボーカルも担当することになりました」と言い、会場から拍手が上がる。そして涼に「うちの風太が(無茶振りで)すみません」と謝ると、涼は「とっても新しくて楽しいよ! 風太くんの発想って、型にとらわれないというか宇宙的だよね」と嬉しそうな表情を見せ、一同を和ませた。
ここでもう2人、風太の無茶振りの被害者が……と紹介されて登場したのは、Argonavisのキーボード・桔梗凛生(演:森嶋秀太)と、GYROAXIAのギター・美園礼音(演:真野拓実)だ。なんと今回は彼らもボーカルを担当するのだが、凛生は「みんな、存分に楽しんでいってくれ!」とさすがの“天才”らしい余裕を、礼音は「お祭りなので精一杯頑張ります!」と誠意を見せ、3人ボーカルによる「上海ハニー」が披露された。
ラストの曲は、Argonavisのライブでもお馴染みの「GO!!!」だ。8人の大所帯、4バンドものメンバーを含むこの編成バンドだが、普段のバンドでの雰囲気や見た目はかなり異なるものの、全員が一体となってお祭りを楽しんでいることが伝わってくる。まさにこの日このイベントでしか見られないステージに、メンバーも観客も一体となって盛り上がっていた。
次に、引き続き大和とLIGHT、絋平、深幸が演奏を担当するバンドに、ボーカルとして七星 蓮(演:伊藤昌弘)が登場した。疾走感ある「READY STEADY GO」は、過去のライブでも何度か披露されてきたが、この編成での演奏はもちろん初披露だ。これまた所属バンドはバラバラでありながらも、繰り出す音の一体感がすさまじい。“立場や年齢が違っても音楽でひとつになれる”を体現したかのようなステージだ。
1曲歌い終わった蓮は、「早く歌いたくて、舞台裏でそわそわしてました!」と言いながらぴょんぴょんと飛び跳ね、喜びをあらわにする。そして「絋平さん、いいですか?」と問いかけると、サムズアップで応えた絋平が弾くベースのイントロが印象的な「メリッサ」へ。蓮ならではの伸びやかで力強いボーカルを聴かせ、続けざまに「Butter-Fly」を演奏。どちらかというと引っ込み思案な蓮だが、ステージでは誰にも負けない存在感があると痛感する。蓮はメンバーひとりひとりの名前をあげて感謝を伝え、観客に「最後まで楽しんでください!」と、ラストに「シュガーソングとビターステップ」を披露した。今ではオリジナル曲だけでライブをこなすようになったArgonavisだが、ステージで披露するのは久しぶりなナンバーが続き、お祭りらしい大盛況となった。
そして本編ラスト、ついに風神RIZING!が登場。ギターは大和、ベースは絋平、ドラムに五島 岬(サポート:RYOTA) 、さらに再び登場したあおいは手にトロンボーンを持っている。「お祭りはまだまだこれからばい!」と威勢よく叫ぶ神ノ島風太(演:中島ヨシキ)が中央に立つ姿に会場中が沸き立ち、一気にボルテージが上がる。明るく賑やかでタオルを振り回したくなるようなスカパンク「SunRize ~黄金の太陽~」は、まさに風神RIZING!そのものを表したような一曲だ。声は出さずとも、観客の「待ってました!」という雰囲気が伝わってくる。それに応えるかのように、ここまでは比較的大人しくしていた演奏隊も所狭しとステージを動き回り、熱い演奏を聴かせた。
風太が「こがんイベントができるなんて嬉しか!ほかのステージのみんなもやっちゃ盛り上がってて最高たいね!」と笑顔を見せ、新しいカバー曲を用意してきたと「オトモダチフィルム」を披露。意外な選曲だが、「なるほど!」と膝を打ちたくなるようなスカアレンジが楽しく、風太が見せる振り付けも可愛らしい。かと思えば、次の「フウライ全力ジャンプ」では、問答無用のかっこよさで観客を圧倒。メンバーと観客の文字通りの全力ジャンプで、床が揺れるほど会場全体が一体化する。もしこれが歓声OKのライブだったら、この曲の途中のお遊戯会風パートで、あまりの落差に笑いが起きていたかもしれない。この光景を見て、作中で彼らがライブロワイヤルフェスの予選で大善戦したのもよくわかると感じた。風神RIZING!は、見たことも聴いたこともないけど面白い、そして楽しい! と、すっかり夢中になってしまうくらいの魅力が溢れているのだ。そのことをあらためて感じさせるステージだった。
歌を終え、まだ終わりたくないと駄々をこねる風太に、あおいが「気持ちはわかるけど、しっかり挨拶しなきゃ!」と励ます。そして風太は「お祭りはきっとこの先も開かれるけん、そのときは一緒に馬鹿騒ぎしような!」と、ラストに「SWORD!」を演奏した。風太の口上からのラップは力強く、未来を斬り拓く勇気に満ちている。風神RIZING!の5人は、この上なくピースフルであたたかい、まぶしいくらいに明るい空気ですべてを照らし、本編の幕を閉じた。
アンコールでは、キャラクターの声を務めるキャスト陣8名がおんぶや手つなぎで再登場し、会場に笑いと拍手が起きる。キャラクターではなく素のキャストとして届けるひとときは、プロジェクトではすっかりお馴染みとなった憩いの時間だ。リハや本番のエピソードなどのトークでひとしきり盛り上がったところで、今日の演奏を支えてくれたサポートメンバーをステージに招いた。そして最後に、出演者を代表して酒井さんと中島さんから挨拶があった。
酒井広大(若草あおい役):
「あらためまして、本日はご来場、また配信でご視聴いただきありがとうございました。今回は(風太の)無茶振りでボーカルでしたが、楽しかったです。生演奏で歌うのはこれまでと違う雰囲気で緊張感もありつつ、ライブ感が増していたと思います。皆さんが楽しんでくださっているのがステージの上にも伝わってきて、僕らもすごく楽しんで演奏できました。歓声……はまだ無理でしたが、あたたかい拍手を本当にありがとうございました!」
中島ヨシキ(神ノ島風太役):
「ようやく(風神RIZING!の)バンド感が出てきたのかなと。先日ファーストアルバムも出て、やっと始まった気がしています。今まで始まっていなかったわけじゃないけど……まだ知りたいですよね? フウライのこと。もちろんほかのバンドもですが、僕らは普段支えてくださる皆さんのために止まらずに歌い続けるだけです。今日は4曲だけでしたが、もっとやりたい! 来年1月のライブではGYROAXIAと出演しますが、どんなライブになるかは来ていただいてのお楽しみです。より良いライブができるよう、風太として頑張りますので引き続き応援よろしくお願いします!」
最後に、伊藤さんと中島さんのツインボーカルとオールキャストによるコーラス・演奏の「バンザイ RIZING!!!」が披露された。演奏中はバンドを超えた絡みやアクションがあちこちで生まれ、まさに目が足りない! と叫びたくなるような盛り上がりだった。見ていなかった人はもちろん、すでに見た人もぜひ期間中にアーカイブで再確認し、お祭りの余韻を楽しんでほしい。
最後までサプライズと熱い演奏がたっぷりと詰め込まれ、まさに風太が大好きなお祭り騒ぎとなった本イベント。このあとは、10月29日にεpsilonΦの宇治川紫夕による「ARGONAVIS Concept LIVE TOUR 宇治川紫夕 Presents TOY’S」(Zepp Nagoya)と、
11月3日にFantôme IrisのFELIXによる「ARGONAVIS Concept LIVE TOUR FELIX Presents Spooky Halloween Night」(Zepp Sapporo)が控えている。何が飛び出すかわからないコンセプトライブ、次の展開が実に楽しみだ。
[取材・文]玉尾たまお
公演名:ARGONAVIS Concept LIVE TOUR 神ノ島風太 Presents お祭りフェスティバル!!!
日程:2022 年 10 月 23 日(日)
会場:Zepp DiverCity
出演:
中島ヨシキ(神ノ島風太役)
酒井広大(若草あおい役)
伊藤昌弘(七星 蓮役)
日向大輔(五稜結人役)
森嶋秀太(桔梗凛生役)
真野拓実(美園礼音役)
秋谷啓斗(曙 涼役)
宮内告典(界川深幸役)
Support Members:
Ba.目黒郁也
Gt.冬真
Gt. 芝山武憲
Ba.目黒郁也
Dr. RYOTA
お祭りセッションチームA(結人、絋平、深幸)
01.「ALONES」(Cover)
02.「DAY✕DAY」(Cover)
03.「サムライハート(Some Like It Hot!!) 」(Cover)
お祭りセッションチームB(あおい、涼、大和、LIGHT、絋平、深幸)
04.「小さな恋のうた」(Cover)
お祭りセッションチームB(あおい、凛生、礼音、涼、大和、LIGHT、絋平、深幸)
05.「上海ハニー」(Cover)
06.「GO!!!」(Cover)
お祭りセッションチームC(蓮、大和、LIGHT、絋平、深幸)
07.「READY STEADY GO」(Cover)
08.「メリッサ」(Cover)
09.「Butter-Fly」(Cover)
10.「シュガーソングとビターステップ」(Cover)
風神RIZING!
11.「SunRize ~黄金の太陽~」
12.「オトモダチフィルム」(Cover)
13.「フウライ全力ジャンプ」
14.「SWORD!」
ALL CAST
En1.「バンザイ RIZING!!!」
価格:¥4,400(税込)
受付期間:~10月29日(土)21:00
アーカイブ期間:~10月29日(土)23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/argo_conceptlive2022-st/
※海外配信はございません
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