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2023.01.14Info

「from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-」DAY2公演 オフィシャルライブレポート

 ボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」による対バンライブ、「from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-」の2日目のレポートをお届けする。
 本ライブは2023年1月7日と8日にかけてTOKYO DOME CITY HALLで行われたもので、プロジェクトに登場する5バンドが出演する内容だ。DAY1にはGYROAXIAと風神RIZING!が、DAY2にはArgonavisとFantôme Iris、εpsilonΦがステージを披露した。

 前日のDAY1の興奮も冷めやらぬなか、DAY2の開幕には、プロジェクトのメイン的立ち位置の大学生バンド・Argonavisが登場した。オープニングを飾ったのは「星がはじまる」で、ボーカルの七星 蓮(演:伊藤昌弘)の伸びやかな歌声と演奏は、目の前いっぱいに広がる空と大海原を思わせる。爽やかさと力強さ――彼らには青い色がよく似合うが、その青は決して冷たい色ではないのだ。

 ギターの五稜結人(演:日向大輔)によるクールなカッティングが光るエッジなロックナンバー「Reversal」では、蓮とともに掛け合いを聴かせるキーボードの桔梗凛生(演:森嶋秀太)のボーカルとラップもアツい。初期から演奏されてきた楽曲「STARTING OVER」では、常に笑顔を絶やさずスーパードラムを轟かせる白石万浬(演:橋本祥平)と、こちらも穏やかな表情ながら、ソロではより逞しくなった音を繰り出すベースの的場航海(演:前田誠二)の姿に喝采を送りたくなった。

 蓮が「今日という日を楽しみにしていました。一曲一曲、大切に歌います。最後までよろしくお願いします!」と礼儀正しく挨拶し、心地良いリズムに笑顔になる「BLUE ALBUM」へと続いた。そして彼らのステージ締めくくりは、「心を歌いたい」と「命のクリック」という、比較的新しくメッセージ性が強い2曲が並んだ。

 プロジェクト的な話をすると、Argonavisは、プロジェクトの最初期から活動してきた最も歴史が長いバンドだ。当初から素晴らしい演奏を聴かせてくれた彼らだが、ライブを重ねるごとに演奏も佇まいにも、ますます揺るぎない安定感が増していった。きっと誰の心にも、彼らの音はまっすぐ心に響くはずだと確信できるような。

 歌が始まる前、蓮は「僕たちの歩幅は狭くても、一歩ずつ着実に前に進んでいます。2023年、皆さんをもっと大きなステージに連れて行ってみせます!」と笑顔を見せた。その誓いは決して嘘ではないと心から信じられる説得力とともに、聴く人の心に寄り添うあたたかさに満ちたステージだったと思う。

 続いて登場したのは、吸血鬼の王が率いるヴィジュアル系バンド・Fantôme Irisだ。開幕は、社会での“仮初め”の姿とステージでの彼らの2面性を表現したメランコリックなナンバー「miroir」。続いて、ボーカルを務めるFELIX(演:ランズベリー・アーサー)の「さあ、暴れる準備は良いか!」の叫びでスタートし、会場を激しく揺らした暴れ曲「Into the Frame」。そこから間髪入れず披露された「銀の百合」は、Fantôme Irisの活動初期から演奏されている代表曲だ。客席を彩るペンライトやリングライトの光ひとつひとつが、降り注ぐ花びらのように目に映った。

 FELIXが「我らはFantôme Iris。新たな年の始まりに、盃を交わそうではないか」と告げ、“右腕”たるギターのLIGHTが運んできた飲み物を口にする。もはや恒例ともなったやりとりを久しぶりに目にできるのが嬉しい。出会いがテーマの「影と光」は、眷属と呼ばれる彼らのファンとメンバーたちだけでなく、メンバーどうしの絆を歌ったものでもある。

 頭を振るならこの曲だ! と問答無用でブチ上がれる「XX in Wonderland」、両翼たるギタリスト2人の繋がりにエモさが爆発する「ピエロ」と続いていき、Fantôme Irisならではの優美な激しさがステージに炸裂する。“ヴィジュアル系”とひとくくりでは片付けられない苛烈な美しさと激しさ、繊細さと大胆さ……完成された世界観の中、彼らは実に多彩な色で観客を酔わせてくれるのだ。

 FELIXが眷属たちと未来の眷属たちに向け、「これからも自身の心に嘘をつかず、ありのままで生きていってほしい。そうすれば、これからの人生が輝かしいものになるだろう」と語りかけ、これからも音を届けることを誓った。そして彼らの時間のラストを飾ったのは、この日がライブでの「ラプソディア」だった。昨年発売されたアルバムでも大きなインパクトを残したこの曲は、壮大な展開と、Fantôme Irisならではの世界観が極めて色濃く現れている。彼らの新たな代表曲と言っても過言ではない本曲でステージは幕を閉じたが、その余韻は長く残るものとなったのではないだろうか。

 3組目に現れたεpsilonΦは、変幻自在のエレクトロサウンドで観客を魅了するまだ年若いバンドだ。そんな彼らがこの日の初手に選んだのは「I’m picking glory」。様々な音のギミックが散りばめられ、生演奏の難易度がえげつなさそうなこの曲を冒頭に持ってくると予想できた人はどのくらいいただろう? “恐るべき子供”のボーカル・宇治川紫夕(演:榊原優希)のハイトーンボイスに翻弄されたあとは、もう一人のボーカルである二条 遥(演:梶原岳人)が登場し、「Heroic」を熱唱した。こうして続けて曲を聴くと、ボーカルが違うだけでこうもバンドの印象が変わるのかと驚かされる。

 再びステージに登場した紫夕は、「青いおにーさんたち(Argonavis)と、黒いおじさんたち(Fantôme Iris)が僕らの前座を務めてくれはったみたいで嬉しいわぁ」と笑い声を上げる。ヒヤヒヤするような挑発的な一言だが、一方の遥も「今日の主役が俺たちだってこと、会場の奴らにも配信の奴らにも思い知らせてやるから覚悟しとけ」と強気で宣言。次の「re:play」「Cynicaltic Fakestar」とスピード感あふれるナンバーを続け、その勢いにこちらの鼓動まで早まっていくような感覚に陥る。だがその勢いは、ステージにいるメンバーたちをも巻き込み、渦巻くようなうねりを作っていった。

 「オルトロス」冒頭、遥が絶叫を轟かせた。それがトリガーとなり、メンバーたちは声や楽器という“武器”で己の感情を解き放ったように見えた。紫夕と遥の歌は、もはや歌というより叫びそのものだ。バンドという形態をとっていながら、5人の演奏はまるでお互いを斬り合うかのような攻撃性に満ちていた。

 久しぶりのライブで楽しかったと機嫌よく語る紫夕は、「これからも僕のおもちゃたちをたくさん弄ばせてもらうから、楽しみにしとってな」と言い、εpsilonΦのラストには彼らの代表曲である「光の悪魔」が披露された。

 そうして本編が終了したかと思ったのもつかの間――ステージに残った紫夕は、「レゾンデートル」を歌い始めた。この「レゾンデートル」という曲は、紫夕が今まで誰にも見せたことのない赤裸々な想いを綴ったものだ。この日のこの歌は、彼の想いと願いそのものだった。その心が抱える重い何かに殴られたかのように、呆然と聴き入ってしまった人は多かったはずだ。そして誰もがきっと、その姿と歌声が焼き付いて離れなくなってしまっただろう。

この日のアンコールでは、Argonavisの「スタートライン」が初披露された。キャストトークでも触れられたが、彼らの始まりの曲は「ゴールライン」というタイトルだった。新たなスタートとなる「スタートライン」もまた、演奏されるたびに違った一面を見せてくれることだろう。その進化が今から楽しみになる一曲だった。

 そしてDAY1同様、素晴らしい演奏を聴かせてくれたメンバーがステージに再集結。キャラクターの姿から素のキャストに戻り、トークとともに、これからの想いをメッセージにして届けてくれた。

日向大輔(Argonavis・五稜結人役):
 昨日もすごく刺激のあるステージで、素の自分ではなく“結人として”観ていました。思い出って目には見えないけど、心の中に残るものです。今年もそんな、宝物のような思い出を皆さんとたくさん作っていけたらと思っています。

前田誠二(Argonavis・的場航海役):
 昨年に続き、皆さんと新年の新たなスタートを切ることができて嬉しく思います。アルゴナビスという船に人が集まり、たくさんの皆さんの応援があってここにたどり着くことができました。今年も一緒に船を漕ぎ出し、素敵な思い出を作っていきましょう!

森嶋秀太(Argonavis・桔梗凛生役):
 Argonavisのメンバーとナビの皆さんと、こうやって毎年何かの形で会えるのは幸せなことだなと思いました。(3階まである客席を見て)豪華客船ぽいですよね。いつか船の上でライブがやれたらなんて思いました。その時は酔い止めを忘れずに!(笑)

橋本祥平(Argonavis・白石万浬役):
 ここまでの道のりでいろんなことがあったけど、全部間違いじゃなかったんだなって、(ヒストリー映像を見た)皆さんの表情を見て思いました。今年はプロジェクトにとっても挑戦の年なので、僕たちも全力で応えていきたいと思います。

梶原岳人(εpsilonΦ・二条 遥役):
 今回のライブでは榊原くんと2人でリハもして、すごく仲良くなれました。今日の本番ではやりすぎたかっていうくらい気持ちを込められたので、観てくれた方に少しでも残るものがあれば。また(ライブに)出たいです!

榊原優希(εpsilonΦ・宇治川紫夕役):
 歌ったり、歌うだけじゃなくても紫夕くんのいろんな想いを表現するにはどうすればいいんだろうって考えました。メンバーのみんなともたくさん話して、一緒に楽しいライブが作れたと思います。「レゾンデートル」(ボイスドラマ)もお楽しみに!

ランズベリー・アーサー(Fantôme Iris・FELIX役):
 久しぶりにFantôme Irisのメンバー5人が揃って、進化した僕たちを見せられたんじゃないかなと思います。皆さんもキャラクターたちの物語をもっと見たいと思いますので、新アプリも楽しみにしていてください。またお会いしましょう!

伊藤昌弘(Argonavis・七星 蓮役):
 DAY1を配信で見て、僕たちも良いスタートを切りたいなと思っていましたが、すごく良い始まりになって嬉しいです。ヒストリー映像を観て泣きそうになったりもしましたが、今年はまだ何も始まってないし何も終わってないんだなって思いました。2023年も皆さんをより楽しませられるよう、全力で走っていきます。これからもよろしくお願いします!

 

 そして2日間に渡るライブの最後には、オールキャストによる「ゴールライン」が演奏された。「今また始まろう」と歌うこの曲は、大きな希望に満ちた言葉がたくさん詰まっている。眩しい光に包まれたステージと会場が一体となり、この上なく幸せな空気に包まれた。

ライブのタイトルに掲げられた「Rezonance」には、“共鳴”という意味がある。境遇や方向は違えど、同じ音楽を愛するメンバーたちが集い、奏でる音が広がっていく――。プロジェクトにとっても大切な一年となるであろう今年、どんな音が聴けるのかを楽しみになる2日間だった。

[取材・文]玉尾たまお

公演概要

公演名:
from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance- (DAY2)

日時・会場:
2023年1月8日(日)TOKYO DOME CITY HALL(東京)

出演:
Argonavis
Vo.伊藤昌弘(七星 蓮)
Gt.日向大輔(五稜結人)
Ba.前田誠二(的場航海)
Key.森嶋秀太(桔梗凛生)
Dr.橋本祥平(白石万浬)

Fantôme Iris
Vo.ランズベリー・アーサー(FELIX)
Support Members
Gt.冬真
Gt.YOUSAY
Ba.Sato
Dr.KENZO

εpsilonΦ
Vo.榊原優希(宇治川紫夕)
Vo.梶原岳人(二条 遥)
Support Members
Gt.藤井健太郎
Ba.めんま
Key.翔馬
Dr.北村 望

詳細:https://argo-bdp.com/live/post-37090/

配信視聴チケット

価格:¥4,400(税込)
DAY2公演 受付期間:~2023年1月14日(土)21:00
DAY2公演 アーカイブ期間:~2023年1月14日(土)23:59まで

国内配信視聴チケット 受付URL:https://eplus.jp/argonavis2nd_live/st/
海外配信視聴チケット 受付URL:https://ib.eplus.jp/fromargonavisrezonance
※全て日本時刻になります

セットリスト

01.星がはじまる/Argonavis
02.Reversal/Argonavis
03.STARTING OVER/Argonavis
04.BLUE ALBUM/Argonavis
05.心を歌いたい/Argonavis
06.命のクリック/Argonavis
07.miroir/Fantôme Iris
08.Into the Flame/Fantôme Iris
09.銀の百合/Fantôme Iris
10.影と光/Fantôme Iris
11.XX in Wonderland /Fantôme Iris
12.ピエロ/Fantôme Iris
13.ラプソディア/Fantôme Iris
14.I'm picking glory/εpsilonΦ
15.Heroic/εpsilonΦ
16.re:play/εpsilonΦ
17.Cynicaltic Fakestar/εpsilonΦ
18.オルトロス/εpsilonΦ
19.光の悪魔/εpsilonΦ
20.レゾンデートル/宇治川紫夕
En1.スタートライン/Argonavis
En2.ゴールライン/ALL CAST

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